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ルシカ、フラワーフラワー / No.16 “ピーピー→ツクヨミ”
- 定価
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¥50,000 - 定価
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- 特価
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¥50,000
税込み。
配送料はチェックアウト時に計算されます。
一呼吸して筆を置き
気付けば四方を物で囲まれ窮屈になっていた椅子から、そっと立ち上がる。
掃除をサボって茶色い斑点が増えてきたコーヒーメーカーのスイッチを入れ
夜が透けるドアノブを回して、絶対オシャレとは言えない、無駄に広いだけのバルコニーへ顔を出す。
(余談だけれど、ここをパター練習場にしたり、朝カフェができる小さなテラスを置いたりしたい欲望だけはある。)
夜の空気を深く吸い込んだ瞬間
ピーピー、とコーヒーメーカーが出来上がりを知らせてくる。戻ろうとしたその時
吸い込まれるほど澄んだ月が、静かに浮かんでいた。
ツクヨミノミコト。
神話では多く語られていないのに、なぜだかずっと惹かれてしまう存在。
数年前、祀られている神社をいくつか調べてみたことがあるほどに、目が離せない。
だから当然のように
今夜の月を見た瞬間、胸の奥でふっと灯るものがあった。
ぞわりとするような、でも柔らかく包まれるような、説明のつかない感覚。
――あぁこれは、形に残さなきゃ。
その衝動が、不意に降りてきた。
思えば以前にも
夜の水面に反射する月を見に行き、その光を絵に描いたことがあった。
ただ見ているだけで心地よく
“なにかが宿っている”と信じてしまいたくなるような、
いや、信じ続けて心の拠り所でいて欲しいと思わせる、そんな月の気配。
今回はその“月にしかない神秘”の、ほんのひとかけらを
ルシカの輪郭にそっと浮かび上がらせた。
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ルシカ、フラワーフラワー / No.16 “ピーピー→ツクヨミ”
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