• ルシカ、フラワーフラワー /  No.22 “純色を羽織る”
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ルシカ、フラワーフラワー /  No.22 “純色を羽織る”

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混じり気のない、純粋無垢な心なんて
いつから無くしてしまったんだろう――と
こんなふうに連作シリーズと向き合う機会でもなければ
あえて考えることもなかったのかもしれない。

今向き合っているこの“色”と“形”。
いつかまた、この色と出会ったとき
五感ごと蘇るような“記憶の味”を咀嚼できたなら。
そんな妄想をどこかで抱いている。

その“味”は、時に劇薬に化けることもあるけれど
作品に関してだけは
その劇薬ごと包み込んでもいいか――
そんな僅かなわがままを込めて
色の奥まで潜りながら、怠惰な想いをそっと遊ばせる。

ふと複雑な雲の形に目を奪われて
「これは何かの前触れでは？」と構えてしまったり。
落ちていた金目のものを見て
「罠では？」と周囲を警戒してしまったり。

思考が渋滞しているときこそ
混じり気のない“純粋な気持ち”に意識を傾けてみると
ほつれた糸を、純粋さがやさしく溶かしてくれるかもしれない。

今回のルシカには
そんな“純色の気持ち”をそのまま、純色の色にのせて羽織らせた。
だからだろう
どこか幼さの残る顔で、こちらを見つめている。
ルシカ、フラワーフラワー /  No.22 “純色を羽織る”
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